脳神経外科医亦野文宏(またのふみひろ)

第2回日本脳神経外科M&M学会に参加しました

2026年10月9日・10日に島根県松江市の松江テルサで開催された「第2回日本脳神経外科M&M学会」に参加しました。

M&Mとは、Morbidity and Mortalityの略で、治療に伴う合併症や予期しない転帰を振り返り、その経験を今後の医療の改善につなげるための取り組みです。

今回の学会テーマは、

「伝承すべき合併症から学ぶ、脳神経外科医の使命」

でした。

成功例だけでなく、困難な経験から学ぶ

脳神経外科手術では、脳や脳神経、重要な血管を扱うため、常に高い精度と慎重な判断が求められます。

十分な術前検討と準備を行っていても、予期しない事態に直面することがあります。

学会では、そうした困難な症例や合併症について、その原因や判断の過程、対応方法を共有し、同じ経験を繰り返さないための活発な議論が行われました。

私は、優れた脳神経外科医になるためには、成功した手術から学ぶだけでなく、うまくいかなかった経験に真摯に向き合うことが不可欠だと考えています。

自分自身の経験を振り返り、何が適切で、何を改善できたのかを考え続けることが、より安全な治療につながります。

経験を次の世代につなぐ

今回、改めて感じたのは、貴重な経験を個人の中だけにとどめず、次の世代へ伝えることの重要性です。

手術技術を習得するためには、解剖学的知識や手技の研鑽だけでなく、手術中に起こり得る危険を予測し、適切に対応する判断力が求められます。

そのためには、成功例だけでなく、合併症が生じた症例についても、その背景や経過を丁寧に検討することが大切です。

若い先生方には、先人の経験から多くを学び、自分自身の判断力と技術を磨いていってほしいと思っています。

より安全な脳神経外科治療を目指して

今回の学会では、全国の先生方の貴重な経験や考え方に触れ、多くのことを学ぶ機会となりました。

脳神経外科医として、手術技術を高め続けることはもちろん重要です。しかし、それと同じくらい、自らの治療を客観的に振り返り、改善を積み重ねていく姿勢が大切だと感じています。

今回得られた学びを日々の診療や若手医師の教育に生かし、今後もより安全で質の高い脳神経外科治療を目指していきたいと思います。