脳神経外科医亦野文宏(またのふみひろ)

第85回日本脳神経外科学会学術総会(札幌)に参加しました ― 頭蓋底手術の安全性と脳血管障害の治療について

2026年10月21日から23日にかけて、札幌市で開催された「第85回日本脳神経外科学会学術総会」に参加しました。

今回の学術総会では、頭蓋底腫瘍手術の安全性に関する発表を行うとともに、脳血管障害に関するセッションの座長を担当しました。

頭蓋底腫瘍手術の安全性向上に向けた取り組み

10月23日には、頭蓋底腫瘍手術における安全管理と、手術中の予期せぬ事態への対応について、当院での臨床経験をもとに発表しました。

頭蓋底は、脳神経や重要な血管が複雑に走行する領域であり、腫瘍の摘出には高度な解剖学的知識と繊細な手術技術が求められます。

今回の発表では、これまでの手術経験を振り返り、安全性を高めるための術前準備や手術中の対応、そして脳血管外科・血管内治療を含む診療チームの連携の重要性について報告しました。

難易度の高い手術においては、腫瘍の摘出だけでなく、患者さんの神経機能を守り、合併症のリスクを最小限に抑えることが重要です。

今後も、日々の臨床経験を検証し、より安全で質の高い頭蓋底外科治療を目指していきたいと考えています。

脳血管障害・巨大脳動脈瘤に関するセッションの座長を担当

10月21日には、一般ポスターセッション「血管障害 頭蓋内動脈病変と巨大脳動脈瘤」の座長を務めました。

本セッションでは、複雑な脳動脈瘤に対する治療戦略や、STA–MCAバイパス術をはじめとする脳血行再建術など、さまざまな研究成果や臨床経験が発表されました。

脳動脈瘤の治療は近年大きく進歩しており、開頭手術と血管内治療それぞれの特徴を理解したうえで、患者さん一人ひとりに適した治療を選択することが重要です。

全国の先生方との意見交換を通じて、複雑な脳血管病変に対する治療の工夫や今後の課題について、改めて考える貴重な機会となりました。

学会で得た知見を日々の診療へ

今回の学会には、日本医科大学脳神経外科からも多くの若手医師が参加し、それぞれの研究成果や臨床経験を発表しました。

若手医師が積極的に学術活動に取り組み、全国の専門家と議論することは、次世代の脳神経外科医を育成するうえでも大切なことだと感じています。

今後も脳血管外科と頭蓋底外科を中心に、最新の知見を日々の診療に取り入れながら、安全性の向上、治療技術の発展、そして若手医師の教育に取り組んでいきたいと思います。